タイ人にとっての北朝鮮拉致問題の話
北朝鮮による拉致被害者 横田めぐみさん(拉致当時 13)の父、横田滋さんが6月5日、亡くなった。横田めぐみさんをはじめ、拉致被害者の中には未だ帰国できていない方々も多い。
日本と同じように、タイにも拉致被害者が1名(女性)いる。報道によると彼女は1978年、出稼ぎ先のマカオで行方が分からなくなったそうだ。彼女が北朝鮮に拉致されたことが分かったのは、失踪から27年が経った2005年。
しかしながら、タイでは自国民が北朝鮮に拉致されているにも関わらず、その事実はほとんど知られていない。実際、タイ嫁に日本と北朝鮮の間には拉致問題があること、タイ人も北朝鮮による拉致の被害者がいることを伝えてみたことがあるが、どうやらピンと来ていないようだ。
タイ人にとっての北朝鮮のイメージは、「よく分からない」というのが正直なところのようだ。それ以上でもそれ以下でもない。興味が湧かない、、、は言い過ぎかもしれないがそれに近いのだろう。タイは北朝鮮とは国境を接しておらず、日本と違って北朝鮮のことを差し迫った脅威とは認識しづらいのかもしれない。
タイ政府の問い合わせに北朝鮮側は「そのような人物は見つからなかった」という回答を繰り返している。曽我ひとみさんの夫、チャールズ・ジェンキンスさんもタイ人拉致被害者の存在について言及しているにも関わらずだ。
タイも拉致被害者の関係者は高齢化の問題に直面している。時間だけが過ぎている。